2.越境する『ベルサイユのばら』における身体表象の変容ーークィア・パフォーマティヴィティのメディア横断的研究
代表者
張嘉慧(国際文化学研究推進インスティテュート 学術研究員)
分担者
矢野原佑史(国際文化学研究科 特命助教)
陳凱僑(国際文化学研究推進インスティテュート 学術研究員)
プロジェクトの目的
本プロジェクトは、漫画『ベルサイユのばら』における⾝体表象を起点として、その舞台化・映像
化を含むメディア横断的な翻案における⾝体/ジェンダー表象の変容を解明することを⽬的とする。
申請者はこれまでに、原作におけるオスカルの⾝体を、パフォーマティヴィティ理論に基づき、「ク
ィアな⾝体」として再定義し、その成⽴条件として「視覚的特権性」と「関係性に基づくナラティブ
構造」が相互に作⽤する「パフォーマティヴ空間」の概念を提⽰した。
本プロジェクトでは、この問題意識を発展させ、宝塚歌劇版、韓国版、⽇本版ミュージカル、フラ
ンス版映画などの実写版作品を対象に、⾝体表象とパフォーマンスの⽐較分析を⾏う。特に、漫画に
おいて成⽴していた「虚構的⾝体」が、実在する俳優の「現象的⾁体」を媒介とする舞台・映像メデ
ィアへ移⾏する際、クィアな⾝体性がいかなる条件のもとで変容・再演されるのかを明らかにする。
さらに、各翻案作品における演出・キャスティングの差異を⽐較することで、クィアな⾝体表象が
⽂化的・制度的・トランスナショナルな⽂脈のなかで、どのように再構築されるのかを検討する。こ
れにより、⽇本発ポップカルチャーのメディア横断的展開における翻案の政治性と、クィアな⾝体表
象の受容可能性を理論的に位置づけることを⽬指す。





