1.方言の可視化に基づく地域文化活性化研究―潮州語の声調を中心に―

代表者
陳 凱僑(国際文化学研究推進インスティテュート 学術研究員)

分担者
髙橋 康徳(神戸大学国際文化学研究科 准教授)

協力者
周 端馳・華南師範大学(中国)

プロジェクトの目的

本プロジェクトは,国際文化学研究科内外の複数の研究者による共同研究を通して,潮州語におけ
る声調現象を音声学および音韻論の統合的手法により解明するとともに,得られた知見を地域社会と
共有し,言語文化資源の可視化と継承に資することを目的とする。
潮州語は中国広東省潮州地区の文化の中核をなす方言であり,その声調体系は日常的コミュニケー
ションや文化的実践を支える重要な要素である。しかしながら,こうした地域方言における声調現象
の詳細な記述や体系的分析は十分に進んでおらず,記録・共有の基盤整備が求められている。本研究
は,従来の主観的聴覚印象に依拠した記述・分析に代えて,実験音声学・音韻論および統計的手法を
導入し,再現可能なデータに基づく記録・分析を行う点に特色がある。これにより,声調の音声実現
(物理的様相)に基づいてその音韻構造(話者の脳内表象)を明らかにすると同時に,その成果を地
域社会に還元する。具体的には,音声データおよび分析結果の整理・公開や,方言の教育・普及に資
する形での活用を視野に入れ,地域方言の持続的継承に寄与する研究基盤の構築を目指す。