神戸大学ポーランド拠点(Kobe University Liaison Office in Kraków)
神戸大学ポーランド拠点は、神戸大学全学協定校のひとつであるポーランド南部の都市クラクフのヤゲウォ大学に置かれている海外拠点です。2015年10月にヤゲウォ大学比較文明研究所内に開設され、2023年2月に人文学研究科と国際文化学研究科の共同管理に移管されました(国際文化学研究科が主管部局)。
2024年11月、ヤゲウォ大学国際部部長のイザベラ・ザヴィスカ氏が来学し、本学教職員と交流しました。2025年2月下旬から3月はじめにかけて、拠点アドバイザーである衣笠太朗講師がヤゲウォ大学を訪問。同大学の副学長であるヤロスラフ・グルニャク氏、国際関係・政治学部学部長のピョートル・バヨール氏らと意見交換を行いました。グルニャク氏からの提案もあり、Promisとしては神戸大学ポーランド拠点を活用した日本ウィーク開催の可能性を検討しています。
この拠点は、旧市街の一角にあるヤゲウォ大学の建物の一室に設置されています。ヤゲウォ大学は1364年に設立されたポーランド最古の大学であり、地動説を唱えたニコラウス・コペルニクスやローマ教皇ヨハネ・パウロ2世も学んだ名門です。クラクフもまた長い歴史を有するポーランドの古都であり、伝統に裏打ちされた華やかな都市文化を育んできた街と言えます。伝統的なヨーロッパの総合大学らしく、統合的なキャンパスは持たず、街中に大学の建物や教室が点在している形になっているところも、日本の大学と異なっている面白い点です。中央ヨーロッパの歴史的都市の中に位置するヤゲウォ大学との連携は、地域研究のみならず、文理を問わない様々な研究分野に良い影響をもたらすことが期待されます。


神戸大学/バベシュ・ボヨイ大学国際協力センター(Kobe University and Babes-Bolyai University International Collaboration Centre)
2018年5月、神戸大学とバベシュ・ボヨイ大学(BBU)とのあいだでMOUが締結され、国際協力センターがBBU日本文化センターオフィスを拠点とする形で設置されました。2023年2月に協力センターは神戸大学ポーランド拠点とともに国際文化学研究科の管理に移管されました。2024年7月には、ロマニ語の研究で知られるバベシュ・ボヨイ大学日本文化センター所長の角悠介氏をPromis連携フェローに委嘱。拠点アドバイザーである辛島理人准教授のもとで相互交流の基盤を整えてきました。
日本文化センターは神戸大学でポスドク研究員を務めたヨアン・アリン・ニストル元BBU商学部学部長の尽力によって2017年に在ルーマニア日本国大使の立会いのもと開設されました。ルーマニアでは日本国大使館と連携し、学外者向け日本語講座、文化・学術イベントの企画運営、姉妹都市の仲介や留学生のインターンの斡旋を行い、日本ではルーマニア大使館、在大阪ルーマニア名誉領事館、ルーマニア文化学院と協力して文化のプロモーションを行うほか、日本におけるルーマニア語教育も担っています。
2025年3月、同大学の政治行政コミュニケーション学部副学部長のニコラエ・ウルス氏ら一行が来学し、拠点アドバイザーである辛島理人准教授らと意見交換をするとともに、国際文化学研究科の村尾元教授の案内で、一行はシステム情報学研究科と、2023年に神戸市中央区の神戸商工貿易センタービルに開設されたMicrosoft AI Co-Innovation Lab Kobeを見学。高等教育機関におけるDX推進について関係者と議論を交わしました。
センターオフィスは神戸大生を含めた日本の留学生が日本語学習者のルーマニア人との交流の場として利用しています。
神戸大学/バベシュ・ボヨイ大学国際協力センター
住所:Moților Street 11, 6th Floor, Room 608, Cluj-Napoca, Cluj, RO-400001, ROMANIA


神戸大学テネシー拠点(Kobe University Tennessee Office)
神戸大学ポーランド拠点、神戸大学/バベシュ・ボヨイ大学国際協力センターに次ぐ国際文化学研究科の第3の海外拠点が、テネシー大学ノックスヴィル校に置かれた神戸大学テネシー拠点です。国際文化学研究科・国際人間科学部とテネシー大学とは、長年にわたって協定校としての関係を育み、こうしたそれまでの関係の蓄積を踏まえて、2024年8月、国際文化学研究科はテネシー大学と相互に海外拠点を置くことに合意する覚書を取り交わしました。同研究科でおこなわれた調印式には、テネシー大学のタイヴィ・スモール副学長、グレッチェン・ナイスラー副学長、アジアエンゲージメントオフィス長のレイチェル・リュー氏が来日して参加しました。同年10月には、国際連携推進機構アメリカ部門長を務める田中順子教授と、拠点アドバイザーである井上弘貴教授がテネシー大学を訪問し、ジョン・ゾムチック学長らと面会しました。
神戸大学テネシー拠点は、テネシー大学ノックスヴィル校グローバルエンゲージメントセンター附属語学学校(English Language Institute UTK)のなかに置かれています。附属語学学校は、ノックスヴィルのダウンタウンにあるUT カンファレンス・センターのなかにあり、テネシー大学ノックスヴィル校のメインキャンパスからも至近の距離にあります。テネシー州経済開発庁日本事務所によれば、テネシー州への海外直接投資の50%以上が日本からのものであり、6万人以上の地元の人びとが日系企業に雇用されています。神戸大学テネシー拠点は、これまで以上に注目を集めている米国南部の文化、思想、歴史について、国際文化学研究推進インスティテュートが研究をおこなうための重要な拠点であると同時に、米国の内陸部に展開する日系企業との将来的な連携を神戸大学が模索するうえでも、今後の利活用が全学的に期待されます。

※肩書はいずれも当時
