6. 近現代ドイツの「中央位置」論:その生成過程と類型の研究

代表者
野上 俊彦(国際文化学研究推進インスティテュート・協力研究員)

※外部協力者として参加。
丸山 栄治(神戸大学大学院人文学研究科・博士研究員)
吉川 弘晃(総合研究大学院大学文化科学研究科・博士後期課程)

プロジェクトの目的

 本プロジェクトの目的は、近現代ドイツにおける「中央位置」論の歴史記述と類型分析を通じて、ドイツの国民的自己像形成史の研究に一つのモデルを提供することにある。
 中央位置論とは、「ドイツは東欧と西欧との中央に位置する」という認識から導かれた、ドイツ人の「宿命」や「使命」に関する主張である。東西いずれの隣人とも異なる「中央の民」としてドイツ人を特別視する議論として、19世紀後半から20世紀末までドイツの歴史観や政治に影響を及ぼした。
 中央位置論は1980・90年代に批判的考察の対象となったものの、その歴史的推移や主張パターンの分析的記述はなお点描的・概説的なものにとどまる。結果的に、ドイツの国民的自己像形成史の研究において、中央位置論の重要性がほとんど顧みられないままになっている。
 本プロジェクトは、「中央の民」としてのドイツ人の自己像、その「宿命」や「使命」等に関する主張の歴史を追跡し、その類型を明らかにすることを通じて、上の問題の解消を目指す。