3. 国際協調体制における制度作用の解明:EUの「日常」、「危機」、「拡大」局面における制度要因の影響分析

代表者
原田 豪(国際文化学研究推進インスティテュート・学術研究員)
分担者
宮本 聖斗(国際文化学研究科・博士課程後期課程)
宇野原 将貴(国際文化学研究科・博士課程後期課程)

プロジェクトの目的

 本プロジェクトの長期的目的は、最も制度化が進展した国際協調体制とされる EU を対象とし、制度要因が国際協調にどのような影響を及ぼしているかを分析することにある。 従来の研究では、無政府状態にある国際社会でも国際協調が成立し維持されるのは何故かという問いが主であり、その要因として制度への注目が集まってきた。つまり、制度の協調促進・維持作用のみが想定された研究が主であった。
 しかし、代表者のこれまでの研究では、制度化と協調の成功例とされるEUにおいてさえも、制度化に対する加盟国の否定的反応が確認されており、制度作用が必ずしも協調促進に限定されず、かつその働きが協調体制に及ぼす影響も多岐に渡ることが推測される。
 本プロジェクトでは、EUにけん引される欧州統合過程の様々な局面を分析する研究者の知見を持 ち寄り、欧州統合過程における制度作用の更なる解明を行い、引いては国際協調全体における制度要因の再検討へと繋げることを目的とする。