2. 日台間における野球技芸の総合的研究―技術の混淆性と応援形態の変容に着目して
代表者
黄 柏瀧(国際文化学研究推進インスティテュート・学術研究員)
分担者
大谷 晋平(国際文化学研究推進インスティテュート・学術研究員)
小笠原 博毅(国際文化学研究科・教授)
※外部協力者として、アンドルー・D・モリス(カリフォルニア理工州立大学人文学院歴史学科・教授)、野嶋 剛(大東文化大学社会学部・教授)、謝 仕淵(台湾・国立成功大学歴史学系・准教授)、山本 敦久(成城大学社会イノベーション学部・教授)が参加予定。
プロジェクトの目的
本プロジェクトは前年度研究プロジェクト「台日野球交流における身体技芸とパフォーマンス文化の研究」からの継続研究である。幅広く戦前から現在の日台野球文化交流を調査することを目指した前年度のプロジェクトは、ポストコロニアルな視座で野球選手の移動と技芸を通じてグローカルな「野球」と「棒球」文化を検証してきたが、球場でよく見られるヒップホップ、ハウスミュージックなどに合わせた応援ダンス、そのダンス「身体」と球技「身体」を総合的にサーヴェイの射程に入れなかった。より総合的に野球文化を捉えるために、本プロジェクトでは、戦後における日台野球選手の技芸に焦点を当て、それが交流によって、いかにして相互変容しているのかに加え、ダンスを中心とした応援文化が、どのようにストリートダンスなどの異領域の要素を取り入れ、変容しているのか、具体的に明らかにすることを目的とする。特に目指されるのは、前述した二つの身体文化変容が、グローバルに生産・消費される過程に伴う人員の移動、文化的表現・要素の借用を介して、日台を含めた環太平洋の野球マーケットやダンス文化の応用にどのような影響を与えているのかを解明するための実証的な文化研究である。