5.篠崎信男資料にみる戦後「性」教育と男性身体
代表者
松元実環
分担者
Arnaud Stockinger
プロジェクトの目的
本研究は、戦後日本における「家族計画」を中心とした「性」と生殖の政治を、「性」に関する教育・「啓蒙」的言説から再考することを目的とする。従来の研究では、女性の身体とその権利に関する論点が中心であったが、1960 年代の核家族モデル構築に向けた国家政策の中で、夫・父としての男性の身体がいかに語られ、また不可視化されてきたのかは、十分に検討されてこなかった。本研究では、「純潔教育」「性教育」の周辺において、厚生省人口問題研究所を中心とした人口学者・優生学者らが、男性の身体をいかに教育・「啓蒙」の対象として構築したのかに着目する。とりわけ、彼らが男性の身体に階層的差異を見出していた点に注目し、戦後日本における男性身体の在り方を多角的に捉えることを目指す。