3. 『鬼滅の刃』アダプテーション作品における超越的身体表現の特性

代表者
植 朗子(国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員)

協力者
大谷 晋平(国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員)  

プロジェクトの目的

 マンガ『⻤滅の刃』(吾峠呼世晴、集英社、2016-2020)は、⼈間から変じた「⻤」に家族を襲われた炭焼きの少年・竈⾨炭治郎の物語である。⻤の⾎で「⻤化」させられた妹・禰⾖⼦に「⼈としての⽣」を取り戻してやるまでのエピソード、⻤殺隊と呼ばれる剣⼠たちと⻤との戦いが描かれている。⻤滅は、⽇本マンガ史上前例がない規模での⼤ヒットとなり、それにともなってアニメ、映画、能狂⾔、2.5次元舞台などアダプテーション作品も多く派⽣した。本プロジェクトでは、⻤狩りの剣⼠の「呼吸」と呼ばれる技、⻤の異能にまつわる⾝体表現に注⽬し、アダプテーション作品では原作からどのような要素が変化したのか精査する。その⽬的は、「⻤狩り」と「⻤」の⾝体の超⼈性について表現を⽐較することで、⻤滅という作品固有の「異能と⾝体の相関性」について明らかにすることである。「⼈間とは何か」という問いに対して、⼈間の⾁体の超越性からアプローチする。