5. 20世紀前半における南モンゴル地域の社会変動に関する研究

代表者
阿日査(アルチャ)(国際文化学研究推進インスティテュート・協力研究員)

分担者
白・那日蘇(国際文化学研究推進インスティテュート・協力研究員)
包苓春(国際文化学研究推進インスティテュート・協力研究員)
哈斯高娃(国際文化学研究推進インスティテュート・協力研究員)

プロジェクトの目的

 清朝末期、西欧列強の圧力と国内の財政再建のために、清朝政府はそれまでに禁じていた漢人農民 のモンゴル地域への流入を解禁し、漢人農民のモンゴル地域での農耕活動を進めた。大量の漢人農民 がモンゴル地域になだれ込み、農耕と遊牧という二つの文明形態の衝突を引き起こした。これが政治 状況の変化にもつながっていき、清朝から中華民国、そして中華人民共和国への移り行く過程でモン ゴル人社会に大きな変化ともたらしていった。モンゴル地域の社会的変動について、半世紀以上に渡 る長いスパンでの研究考察は少なく、特に上での示した三つの時代の比較検討は非常に少ない。本研 究プロジェクトでは、この三つの時代におけるモンゴル地域の土地の所有問題、政治の変遷および宗 教の社会的機能の変化など様々な次元から考察を行い、おおよそ半世紀以上の時代の流れの中で、モ ンゴル人社会はどのように変わっていったのかを明らかにする。