1. 多文化共生における信頼の修復に関する国際比較研究-日中比較を中心に

代表者
林 萍萍(国際文化学研究推進インスティテュート・協力研究員)

※外部協力者として、王 玮(中国・河南大学教育科学学院・特任准教授)が参加。

プロジェクトの目的

 当プロジェクトは、2021 年度の研究プロジェクト「多文化共生における信頼感に関する国際比較 研究-日中比較研究を中心に」を継続・発展させるものである。2021年度は一般的信頼感(ほとん どの人が信頼できるのか)の規定要因、「信頼」の意味構造、信頼の前提条件を中心に日中比較を行った。昨年度の研究から得られた結果を踏まえて、今年度は、「被信頼感(信頼されていると感じる 感覚)」について日中比較を行い、「被信頼感」が「一般的信頼感」および特定の相手に対する「個 別的信頼感」に及ぼす影響を検討する。また、対人コミュニケーションにおいて、信頼を失った際に、信頼を修復するために、日本人と中国人がどのような方略をとるのかを調べ、信頼修復方略の関連要因およびそれぞれの方略の効果について比較検討を行う。本プロジェクトを通して、これま でほとんど検討されていない日中の信頼修復行動に新しい知見を与え、信頼における文化の役割の解明に寄与される。また、多文化共生社会における信頼感の構築や円滑な異文化コミュニケーショ ンの実現に貢献できる。