4.日本人学習者の中国語第三声習得に関する研究
代表者
呉 琪(神戸大学国際文化学研究科・協力研究員)
分担者
陳 曦 (早稲田大学日本語教育研究センター・助教)
葉 雪珺(神戸大学国際文化学研究科 博士前期課程)
林 嘉寧(神戸大学国際文化学研究科 博士前期課程)
崔 夢影(神戸大学国際文化学研究科 博士前期課程
※外部の研究者として、王 睿来(南京師範大学文学研究科 博士研究員)が参加予定。
プロジェクトの目的
これまでの中国語学習者の声調に関する研究では,欧米言語の母語話者を対象としたものが多いが,声調言語ではない日本語を母語とする中国語学習者を対象とする研究が極めて少ない。さらに,日本人中国語学習者にとって,中国語の第三声(以下「Tone3」とする)の習得が非常に困難であると多くの先行研究が指摘しているが,生成面における日本人中国語学習者と中国語母語話者によるTone3の音響的特徴を比較する研究はほとんど存在しない。
申請者の博士課程での研究結果から,日本人中国語学習者による中国語のTone3に対する知覚パターンが中国語母語話者と顕著に異なることが明らかになった。しかしながら,その相違を招く原因は一体どこにあるのか,引き続き生成面に主眼を置きながら,調査する必要があると考えられる。
したがって,本プロジェクトの目的は,生成面において,日本人中国語学習者と中国語母語話者によるTone3の音響的特徴の差異を明確にすることである。さらに,学習者の学習レベルがTone3の習得に与える影響も調査する。その上で,調査結果を踏まえ,日本人中国語学習者を対象とするTone3の有効な指導法を開発する。