国境を越える親密性/公共性
日本拠点代表者
青山 薫
(神戸大学国際文化学研究科教授)
相手国拠点代表者
Sureeporn PUNPUING
(マヒドン大学人口・社会調査研究所移民センター准教授)
ケアをめぐる関係と労働がグローバル化し、「再生産様式の転換」とも呼ばれる事態が進行するなか、近代市民社会成立以来の公私――公的世界と親密な関係性――の区別が揺らいでいる。一方、ケアを社会の周縁に位置づける傾向と移民・移住者を他者化する傾向が、同時に激化しているようにも見える。こういった、人の移動がもたらす歴史的な転換と軋轢に際し、当課題では、具体的に 1)家事労働、介護・看護労働、性労働、結婚にかかわる移民・移住研究、2)「移民」の表象の研究 というテーマを設け、28年度は、神戸と釜山でのシンポジウムを通じて、それぞれの研究の日欧亜における現在までの蓄積を比較する。そして、各地で何が起きているのか、差異および類似点は何か、差異や類似の要因は何かを検討していく。