多文化主義のローカル化とナショナリズム
日本拠点代表者
岡田 浩樹
(神戸大学国際文化学研究科教授)
相手国拠点代表者
Yung-Ho IM
(釜山国立大学校社会科学研究機関長)
NGUYEN Thu Huong
(ベトナム国立大学日本学部副学部長)
グローバル化に伴う移民・移住労働の現象は、いわゆる多文化主義に基づく社会政策を生み出してきた。多文化主義については、従来、アメリカ合衆国やカナダ、オーストラリアなどの移民社会、あるいはヨーロッパにおいて展開されてきたが、近年、少子高齢化などの要因により他地域からの移住者が増加の方向に進みつつある日本、東アジア、さらにはASEAN域内で、いかに欧米で展開されてきた多文化主義を受け入れるかという問題とナショナリズムの復元力とが葛藤を生み出している。その例として、日本の多文化共生政策、韓国の「移民政策」、各地で試みられている複数言語教育などがあげられる。本共同研究では、それを「ローカル化した多文化主義」ととらえ、まずは各社会の送り出し・受け入れ状況、多文化主義のローカル化の理論と実際との乖離についての基本情報を共有し、問題点を明らかにしていく。